RESULT DETAIL大会結果詳細
10/18~22 第13回世界選手権の報告
10月18~22の期間で中国・昆明にて開催されましたドラゴンボート世界選手権へ参加、プレミアMIX、シニアAカテゴリー合わせて総勢43名のJapanチームでの大会参加となりました。
今大会参加にあたり、特にプレミアMIXカテゴリーに参加した25名中、過去IDBF世界選手権参加経験者が2名のみであり、レース以外にも国際大会ならではのトラブルも多々ありましたが協会の方々にも多大なご支援を頂き、無事に大会を終えることができました。関係者皆様に御礼申し上げます。
昆明世界大会プレミアMIX大会後記
■レース結果
◆10/20(金)AM 500m決勝
1:58.840 China
1:59.559 Thailand
2:03.446 USA
2:03.655 Canada
2:04.073 Australia
2:05.758 HongKong
2:10.710 Macau
2:11.641 Swizerland
2:12.198 GreatBritain
2:12.615 Japan
◆10/21(土)AM 200m決勝
45.552 China
45.698(フライング+2sec penalty) Thailand
47.747 Canada
49.057 USA
49.124 Australia
49.752 HongKong
51.312 Macau
51.890 GreatBritain
51.946 Switzerland
52.039 Japan
◆結果所感
500m、200m、どのレースにおいても日本チームはレース中盤ほどまではトップ争いをすることも多く肉薄したレースを展開、終盤100mほどで世界のチームはさらに加速し、結果敗れるという展開でした。過去世界選手権ではスタートで圧倒的に離される傾向があった経験からスタートを強化して挑んだ為、スタートでトップ争いすることも多く中旬も並べてレースができ、世界レベルでの中盤・終盤のレース展開を相対的に実体験として伺い知ることができました。
過去の世界選手権では世界レベルとの差が大きすぎて圧倒されることが多かったですが、今大会においては並べてレースを行い、次回に向けて終盤のレース展開等、世界と戦う為の強化ポイントが具体的に議論できる立ち位置まで来ました。世界が射程距離に入るレベルに日本は立っていると感じます。
今大会ではプレミアMIX、シニアAオープン各々のスタンダード艇という2カテゴリーのみでの参加でしたが世界各チームは多くのカテゴリーに参加するメンバーを揃えており、士気高揚等、相乗効果を発揮している姿が見受けられました。タイム上、シニアAプレミアMIXや、シニアBオープン、プレミアMIXスモール等、日本がメダル争いをできるカテゴリーも多くあります。日本もより多くのカテゴリーに参加し、結果を狙っていく体制が重要と感じました。
今大会、過去のIDBF世界選手権参加経験者も少なく、今大会参加で世界選手権経験者を多く増やすことができました。
今後の日本ドラゴンボート界の発展に向けて、より国際大会経験者が増える様、多く参戦機会を持つ重要性を改めて感じました。
今大会にあたり、関係者の皆様に御礼申し上げます。ありがとうございました。
◆今大会参加選手 43名
チームマネージャー
プレミアMIX 橋本直城(東京龍舟)
シニアAオープン 楡木栄次郎(東京龍舟)
選手
有坂正和(東海龍舟)
宇井一朗(東京龍舟)
井上義章(東京龍舟)
緒方大輔(東京龍舟)
小野笑佳(東京龍舟)
笠川淳史(関西龍舟)
片桐隆(東京龍舟)
桂大輔(東京龍舟)
金子郁美(東京龍舟)
北川由季(東京龍舟)
九鬼陽子(東京龍舟)
熊谷千草(東京龍舟)
黒岩玲奈(東京龍舟)
小池邦夫(東京龍舟)
小嶋祐太(東京龍舟)
近藤啓樹(東京龍舟)
斎藤統(ジャングルマニア)
鈴江唯史(関西龍舟)
鈴木章一(東京龍舟)
染川泰(東京龍舟)
高橋雅彦(bp)
竹谷銀一郎(東京龍舟)
中村公一(東京龍舟)
野田哲男(東京龍舟)
畑博之(香港日本龍)
濱津樹梨(東京龍舟)
濱津万希子(東京龍舟)
福島貢太(東京龍舟)
古嶋秀郎(東京龍舟)
真木隆次(東京龍舟)
緑川浩章(東京龍舟)
柳野紗智子(東京龍舟)
山内裕子(東京龍舟)
山本浩昭(東京龍舟)
横山禎(CIC)
吉田太郎(東京龍舟)
米山健一(東京龍舟)
リ・カロライン・ミクモ・メイユン(東京龍舟)
林志?(東京龍舟)
若狭和也(東京龍舟)
渡邉真希子(東京龍舟)
-以上-
橋本直城
世界大会シニア 大会後記
東京龍舟シニアメンバーに加え、東海龍舟、関西龍舟、bp、CIC、ジャングルマニア、香港日本龍所属のメンバーに参加いただき、シニアAカテゴリーの2種目(500m、200m)に参加しました。参加にあたり、最後までメンバー集めに奔走していただいた方々、快く助っ人参加いただいたメンバーには、心より感謝申し上げます。
◆シニアAオープン 200m
1位 China
①44.553 ②44.413 ③44.849
合計 2:13.815
2位 Canada
①49.573 ②49.797 ③47.938
合計 2:27.308
3位 USA
①50.393 ②50.987 ③50.738
合計 2:32.118
4位 Japan
①52.874 ②51.748 ③50.450
合計 2:35.072
参加国は日本、中国、アメリカ、カナダの4カ国で、世界の最強国との対戦となり、3本の合計タイムで順位を競いました。
1本目、大会初レースの緊張感の中、やや左重状態で、さらに途中隣中国の大きな引き波にあい、大きく曲がりながらも立て直し、なんとかゴール。3位のアメリカと約2秒差で終える。
2本目は配艇を微調整し、舵も修正でき、タイムも大きく改善、アメリカに肉薄してゴール。しっかりフィニッシュまで取れていない漕ぎ見受けられたため、脚からリズムを取り、キャッチを合わせながらも全員がしっかりフィニッシュまで取ることを徹底。
3本目は、1、2本の反省生かして、スタートからの爆発とミドルへの力強い切り替え、フィニッシュまで漕ぎきるストロークを強く意識し、結果アメリカに0.3秒差つけ3位でゴール。
まさに今大会のハイライトだった。1、2本目のタイム差があり、200mでのメダルはならなかったが、終盤に逆転でアメリカに勝つという快挙を達成し、500mでのメダル可能性を残して終了。
◆シニアAオープン 500m
1位 China
①2;00.755 ②2:01.238 ③2:01.895
合計 6:03.888
2位 Canada
①2:04.540 ②2:05.820 ③2:06.287
合計 6:16.747
3位 USA
①2:08.321 ②2:06.499 ③2:07.313
合計 6:22.133
4位 Japan
①2:09.469 ②2:12.541 ③2:10.969
合計 6:33.079
◆シニアAオープン 500m
1本目はアメリカに中盤までリードする展開から終盤に失速して約1秒差でゴール。
スタートから攻めて序盤までは順調に感じたが、途中で脚が効かなくなり、五月雨式に艇速が落ちてしまった。
逆にアメリカはビルドアップ気味で終盤に艇速をあげて我々を逆転。
2本目、タイムを伸ばしてきたアメリカに対し、逆にタイムを大きく落としてしまい、
3本目を残して逆転の可能性を潰してしまったのは反省点。
1本目に疲労で終盤失速したトラウマか、序盤から攻めることができずに、見せ場を全く作れず終了。
3本目の最終レースはややタイムも改善したが、アメリカがさらにタイムを上げ引き離された。
200mに照準を合わせて練習してきたとはいえ、チーム全体のスピード持久力の向上は必須だと痛感した。
◆所感
シニアの参加規則を勘違いし、当初計画していた舵や配艇が直前に変更なってしまった点、大いに反省しております。大会規定にあった Racer に太鼓は含まれないが舵は含まれること。
IDBFルールをしっかりと把握しチーム編成する基本の重要さを再認識いたしました。
レース結果から分かるように、シニアAはメダルを狙いやすいカテゴリーだという点を強調したい。中国は別格としてアメリカはすぐ手の届く位置におりますし、カナダも決してずば抜けた存在ではなく、射程圏内にある。
200mの3本目は実際にアメリカを上回るタイムを出すことができました。これはオープンのみならず混合種目にも当てはまります。
今回参加し、各国シニア層の厚みを実感しました。アメリカやカナダは総勢200名を超える参加者がおり、ほぼ全てのシニア種目にエントリーしている充実ぶり。カナダでは、各カテゴリーで別々の選抜、強化活動が行われ、シニアに特化したプログラムや練習拠点があるとのこと。さらにシニアABCで細分化されたチーム編成が行われている。
数年前までは、カナダ選手権で優勝したチームが国際大会へ出場していたが、その過程を経て、代表選抜と強化プログラムが整備され、現在はカナダナショナルチームとして出場し、結果を残している。大いに参考になる仕組みである。
そういった意味では、日本においても、シニア一括りでのレース参加ではなく、シニアB、シニアC、混合シニアというカテゴリーでのレースを推奨し、さらなるシニア層の活躍の場作りの必要性を感じた。
また、競技思考のシニアのみならず、ドラゴンボートを生涯スポーツとして楽しみ、チームメイトと共に、健康維持・増進の目的の延長線上で世界大会を楽しんでいる各国シニアパドラーも多く、この競技の深さと奥行きを強く感じた。
今後シニアの日本代表を、各カテゴリーに渡って複数エントリーができることを目標に、
シニアが継続的に発展できる環境を日本でも整備していきたい。
楡木栄次郎